2010年12月21日
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「稲荷」の語源は「稲生り(いねなり)」だった・ならば……

Written By: 川俣 晶連絡先

 結局「屋敷神」の問題は「稲荷」を避けて通れないということで、「キツネ」「油揚げ」という、単純で通俗的な連想だけではダメだと思い、ちょっと調べてみるとあら不思議。

 WikiPediaより

また、稲生り(いねなり)が転じて「イナリ」となり「稲荷」の字が宛てられた

 語源的に、キツネ系の動物っぽい世界にも、油っぽい油揚げの世界にも行かず、「イネ」の世界に行ってしまうではありませんか。

 そうすると、はたと気付くことがあります。

  • 実は自分で目視した6カ所の屋敷神は全て河川水路に近く、規模や実行は別として過去に「稲作」が推定される地域である

 つまり、「屋敷神」に「稲荷」が多く、それが「稲作」と結びついているのなら、「水の豊富な低地またはその周辺」に頻出することになります。そのような場所は全国に幅広く存在するので、全国的に見るとまんべんなく分布しているように見えますが、もっとミクロな目で見ると分布にムラがあることになります。水と低地は平均的に分布しているわけではないからです。

とはいえ §

 しかし、そういう考察をしてみても、「あそこにあった理由」にはなっても、「あそこにはない理由」にはなりません。難しいですね。

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